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十分に眠れていますか?睡眠不足が原因と考えられる大惨事

睡眠不足

研究で明らかに!責任ある職業のリアルな睡眠問題

世界中で起きた多くの悲惨な事故の原因は睡眠不足が関係していると言われています。

責任ある職についている人ほど、睡眠の重要性を理解するべきと思わせられる論文が発表されました。

ミシガン州立大学が睡眠不足に関して過去最大規模となる研究を実施し『Journal of Experimental Psychology: General』に2018年9月27日付けで発表しました。

研究論文の執筆者であるキンバリー・フェン氏によると「外科手術や公共交通機関、原子力発電所におけるミスや事故を見てみると、睡眠不足がヒューマンエラーのおもな原因のひとつとなっている」との事で、責任ある職業の睡眠不足による潜在的リスク懸念されます。

ヒューマンエラーは「意図しない結果を生じる人間の行為」のことです。

厚生労働省「ヒューマンエラー」より引用

また「ミスが許されない責任の重い職業についている人の多くが、睡眠不足の状態だ。手順が厳正に定められている仕事に従事する人の4分の1近くが、仕事中に居眠りをした経験があることが研究で判明している」と言われており、職場における危険な睡眠不足の実態がうかがえます。

正常な認知機能にとっては睡眠が必須であり、十分な睡眠をとっていれば作業を中断されても脱線することなく、もともとの作業に戻りやすいのでミスを回避しやすいと言えます。

論文では、日常的なミスから、大惨事にいたるまで、睡眠不足が関係していたことが指摘されています。睡眠不足は著しくパフォーマンスを下げることが証明されたと言えるでしょう。

睡眠不足が原因と考えられる世界的な大惨事

以下は睡眠不足が原因と考えられる世界的な大惨事の事例です。

チェルノブイリ原子力発電所事故(1986年)

ソビエト連邦時代、現在のベラルーシ国境近くのウクライナの小さな町にあるチェルノブイリ原子力発電所4号炉で起きた原発史上最悪の事故。

作業員の寝不足による操作ミスが原因と考えられています。

国際原子力事象評価尺度(INES)によると、この事故による放射性物質の放出量は最も深刻なレベル7に該当し、レベル7に位置付けられる原子力発電所の事故はチェルノブイリ原子力発電所事故と福島第一原子力発電所事故の2つとなっています。

INES(国際原子力・放射線事象評価尺度)とは、原子力発電所等の事故・トラブルについて、それが安全上どの程度のものかを表す国際的な指標です。
東京電力福島第一原子力発電所事故のINES評価はチェルノブイリ原発事故と同じレベル7(放射線影響としてヨウ素131と等価となるように換算した値として数万テラベクレル(1016ベクレルのオーダー)を超える値)に相当すると評価されています。

環境省「福島第一原発事故の概要」より引用

スリーマイルアイランド原子力発電所事故(1979年)

アメリカ合衆国ペンシルバニア州のスリーマイル島原子力発電所でおきた原子力事故。機械の故障とヒューマンエラーが重なりメルトダウンし放射能物質が漏れだしました。

作業員の疲労による睡眠不足が原因のヒューマンエラーと裁判で指摘されています。

想定外の不具合と安全に動作させるための設計の不備、万全な体調でなかった職員の判断ミスと重なってしまい、この不幸な事故は起きてしまったようです。

スペースシャトル「チャレンジャー号」爆発事故(1986年)

TVの生放送中、アメリカ・NASAのスペースシャトル・チャレンジャー号は打ち上げられました。

打ち上げから約73秒後に空中分解し乗務員7名が亡くなりました。

爆発事故は外部の燃料タンクが破壊されたことで起こってしまいます。打ち上げ当日の朝はとても寒く、燃料漏れを防ぐ部品の耐久性が低下してしまっていたようです。

脆弱になった部分から高温ガスが漏れだし、膨大なエネルギーによって爆発してしまいました。

部品のチェックをしっかり行っていれば、防ぐことのできた事故でしたが、職員の長時間労働と睡眠不足が招いたヒューマンエラーが原因で起こってしまったと言われています。

エクソンバルディーズ号原油流出事故(1995年)

アメリカ合衆国アラスカ州沖でエクソン社の原油タンカー「バルディーズ号」が座礁し原油を流出させたアメリカ史上最悪のタンカー事故。

船体の損傷部から漏れ出した原油が1600kmの海岸線を汚染され、睡眠不足で居眠りをした航海士が警告音に気づかなかったことが原因とされています。

大量の原油の流出は魚類、水生哺乳類、海鳥、海藻といった海洋生物の生態系に壊滅的な影響を与えました。

環境回復のための原油除去作業にはエクソン社の従業員に加え現地のアラスカ住民も協力して行われたそうです。

まとめ

睡眠不足の事故で私たちが一番身近に感じるのは居眠り運転ですよね。

少しだけといった判断のミスや明らかな睡眠不足は自分だけでなく多くの人に多大な影響をもたらしてしまうこともあります。

そういった事故を起こさないためにも十分な睡眠をとり健康で幸福な生活を送ることを心掛けましょう。

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