熟睡ラボ

睡眠不足が不登校の引き金に?

子どもの睡眠不足がもたらす悪影響イメージ

睡眠は子どもの将来も左右する…?

「寝る子は育つ」という言葉があるように、睡眠によって子どもの脳と体は発達します。

しかし、現代の子どもたちの睡眠は危機的状況にあると言われています。日本小児保健協会の1~6歳児の調査(1980、1990、2000年)で、就寝時刻は各年齢で遅くなっており、22時以降に就寝する小児の率は、3歳で22%→36%→52%と20年間で著しく増大しています。

子どもの就寝時刻の後退には、現代社会の24時間化や夜型化の影響を受けて、子どもの睡眠に適した、“静かで暗い環境”で過ごす時間が短くなったこと、さらに、日中の活動の変化(習い事の増加、身体的な運動量の減少、屋外での遊びの減少など)など、子どもを取り巻くさまざまな環境の変化によって、子どもの生活の夜型化が進んでいると考えられます。

結果として子ども(未成年)の夜型化に伴う睡眠不足は、日中の眠気や疲労感という「QOL」(生活の質)低下にとどまらず、中枢神経系や全身的状態に悪影響が生じる危険性をもたらすことが指摘されています。乳幼児においては知的発達の遅れ、小学生以降では学業成績低下という悪影響をもたらし、情緒不安定や攻撃性の増大などの行動面での悪影響も。近年、発達障害の子どもたちが増えている背景に、睡眠問題が関係しているとの指摘もあります。

睡眠時間が10時間以上の子どもは、6時間以上の子供より「海馬の体積が1割程度大きい」という東北大学の研究結果もあります。海馬とは、新しい記憶が最初に保存される場所。この海馬は体内時計の乱れやストレスの影響を受けやすいため、平日の睡眠時間が短く、ストレスを回復できなかったり、休日に起きるのが遅く体内時計が乱れがちな生活が続くと、ダメージを受けると考えられています。寝る間を惜しんで一生懸命勉強をしても、睡眠を削りすぎるとせっかく覚えたことが記憶に残りにくいということです。

“夜更かしが当たり前になり、朝起きるのが辛くなる”
そんな毎日が続いてしまうと、脳の前頭前野の発達が阻害され、理性で感情をコントロールできなくなり、自己肯定感が低くなります。そして、自分の意思とは裏腹に体が言うことを聞かなくなり、やがて学校に行けなくなる…睡眠不足が不登校の引き金にもなっています。

また、子どもにおいても睡眠の不足は肥満を引き起こすことにつながり、将来的な生活習慣病のリスクを増大させる可能性も懸念されています。

就学前(3~5歳)の小児では、推奨される睡眠時間は11~13時間。小学生、中学生に必要とされる理想的な睡眠時間は、小学生なら9~11時間、中学生は8~10時間とされています。

低年齢の子どもの夜型化には、大人の生活習慣が影響を与えています。大人の生活習慣から見直すことも大切です。

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