熟睡ラボ

睡眠から見る入浴のススメ

快眠のヒント

「芯まで温まる」ことが重要

睡眠には体温の変化が大きく関係しています。私たちの体の内部の体温“深部体温”は一日の中で変化していて、深部体温が下がり表面体温との温度差が小さくなることで眠くなる仕組みになっています。より急速に深部体温が下がる方が、眠りにつきやすく深い睡眠も出やすいのです。つまり大きな深部体温の低下が眠気の要因の1つになるんですね。

そこで効果的な方法が“入浴”です。お湯に浸かって一度体温を上げることで、入浴後に熱が放出され効率よく体温を下げることができ、スムーズな入眠から良質な睡眠に繋がるのです。

そして入浴には3つの健康作用があります。

温熱作用による細胞の活性化と疲労回復

血のめぐりがよくなることで、酸素や栄養を含んだ新鮮な血液が全身をかけめぐり、血液中の老廃物や二酸化炭素が運び去られます。つまり、老廃物でいっぱいのドロドロ血液がサラサラに変わる体内変化が起きているのです。全身浴でじっくり温めるからこそ起こる現象で、シャワーだけでは効果は下がります。

水圧作用による血行促進と心肺機能の改善

お風呂に入ると「ふ~」と息がもれることがあります。これは、お腹やお尻が水圧で縮む静水圧によるもの。この作用が全身への穏やかなマッサージ効果を生みます。水圧で末端に滞っていた血液や体液が心臓に押し戻されるので、むくみの解消にも効果的です。

浮力作用による気分のリラックス

水の中では浮力がかかり、体重が軽く感じられます。首までお湯に浸かった場合、お湯の中での体重は、なんと約10分の1!体重60キロなら、水中ではたった6キロ。全身を支えていた関節や筋肉が重みから解放され、全身がゆったりとリラックスした状態になります。

入浴は就寝の1~2時間前、38~40℃(冬は39~41℃)ぬるめの湯船に15~20分ほど浸かるのがオススメです。額にうっすらと汗がにじむくらいがちょうどいいでしょう。一方、42℃以上の熱い湯に浸かると、逆に交感神経が優位となり、緊張モードに。神経が高ぶり、眠りにつきにくくなってしまいます。熱い湯に浸かると気分がスッキリして疲れがとれた感じがしますが、眠りには悪影響なのです。

忙しい人は、どうしてもシャワーで済ませがちになりますが、湯船に浸かることをぜひ毎日の習慣に取り入れてみてください。寝つきだけでなく、翌朝の疲労回復度も違いますよ。

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