これってなんていうの?寝具の名前と役割を覚えよう!
人生の約1/3の時間を費やす睡眠。そんな生活に欠かせない睡眠を快適にするアイテムが寝具です。
何気なく使っている寝具にはそれぞれ役割があって、私たちの生活をより豊かなものにしてくれます。
今回は世の中で売られている寝具、当店で販売している寝具の名称や役割など簡単な説明が出来ればと思います。
枕
枕は快適な寝姿勢を保つための寝具です。スムーズな寝返りをサポートしたり、頭の位置を高くすることによって頭周りの血液の滞留を防ぎ、顔のむくみを軽減してくれます。
枕選びの悩みでよく耳にするワードでストレートネックというものがあります。
ストレートネックとは本来あるはずの頸椎の緩やかなカーブが失われ、真っ直ぐになっている状態のことです。
首の骨が真っ直ぐになっていると、頭の重さによる負荷を和らげるクッションの役割を十分に果たせなくなり、首こりや肩こりに繋がります。
ストレートネックの方には首部分を支える形状のものがオススメで、首を押し上げてストレッチさせることによってストレートネックの緩和を期待できます。
ストレートネックについてはこちらのページで詳しくご紹介していますのでご覧ください。
自分の体格に合った高さ、形状、硬さのものを選ぶことがポイントです。
マットレスピロー
こちらは枕とマットレスの特徴を持ち合わせた寝具となっています。普通の枕は頭・首を支えるものですが、マットレスピローは頭・首・背中・肩まで広く支えてくれます。背中部分まで一体化しているので枕のずれを防ぎ、より適切な位置でサポートします。
種類によって背筋を伸ばして胸を開く機能があり、より深い呼吸が見込めるものもあります。枕と違い、肩幅も考慮して選ぶ必要があるので、サイズの確認をしっかり行いましょう。
抱き枕
抱き枕は抱きかかえることによってリラックス効果が期待できる寝具です。いびきに即効性のある寝姿勢である横向き寝で使うことが多いことから、いびき対策グッズとして注目されている寝具です。
抱き枕は妊婦さんの大きくなったお腹の圧迫による息苦しさなどの負担を軽減するシムス位をサポートするアイテムとしても用いられます。
シムス位とは、左側臥位で、左上肢を後方に左胸を床面につけ、左股関節・左膝関節を軽く屈曲し、右股関節・右膝関節を強く屈曲させ、右大腿を胸壁に接近させた体位。妊婦にとって楽な体位。
Dear Careより引用
足枕
聞き慣れている人も少ないかもしれませんが、頭ではなく足を支える枕です。実際使っている方も少ないと思います。
枕と同じく足の高さを上げることによって血行が良くなり、むくみ改善効果が期待できます。
足枕は大まかに
- 足首とひざ裏から支えられるタイプ【足枕】
- ひざ裏から支えるタイプ【膝枕】
- 足全体を支えるタイプ【フットマットレス】
といったものが存在します。
足首とひざ裏から支えられるタイプ【足枕】
足首とひざ裏から支えられるタイプのものがスタンダードな足枕となっています。
コンパクトなサイズのものが多く、使いやすいのが特徴の一つです。
ひざ裏から支えるタイプ【膝枕】
ひざ裏から支えるタイプは足の関節部分を効率よく支えるため特殊な形状をしています。足枕の中で膝専用という商品はまだ普及が少ないタイプの足枕です。
足全体を支えるタイプ【フットマットレス】
足全体を支えるタイプはほかの足枕と比べてサイズが大きいことから、当店ではフットマットレスと呼んでいます。足全体をしっかり支えてくれるので安定性が高いです。
サイズによっては褥瘡によって踵を下に付けられない方などの睡眠のサポートにも効果的な足枕です。
褥瘡とは、寝たきりの状態や車椅子生活などをきっかけとして皮膚の血流が滞ってしまうことで生じる皮膚病変を指します。褥瘡は圧迫を受けやすいお尻や腰骨周囲、踵、肘などに生じることが多く、皮膚の赤みやただれ、ひどくなると潰瘍や細菌感染を生じる場合もあります。一般的には“床ずれ”と呼ばれています。
Medical Noteより引用
また、足枕の効果やオススメの使い方、当店スタッフのイチ押し足枕についてご紹介していますのでこちらの記事もチェックしてみてください。
敷き寝具
敷き寝具は体全体を支えてくれるとても重要な役割を持った寝具です。目覚めて体が痛いというのは敷き寝具の硬さに原因があるかもしれません。
敷き寝具で最も重要であるのは体を支える反発力です。低反発と高反発という2つに分類され、体の圧力に応じて徐々に沈んでいく特性を持つのが低反発、逆に体の圧力に応じて素早く反発する特性を高反発といいます。
寝るときに肩部、腰部、臀部、踵の4か所は特に圧力がかかりやすい部位になっていて、低反発すぎると腰の沈み込みすぎによって腰痛の原因となってしまったり、逆に高反発すぎると体との接触面に圧力がかかりすぎてしまい、痛みや違和感を感じることがあります。特に横向き寝は圧力がかかりやすいので注意が必要です。
その他の機能や価格もポイントになってくるので自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
敷き布団
日本伝統の寝具としておなじみの敷き布団はコンパクトに折りたたむことができ、簡単に移動が可能で、使わないときには押し入れなどに収納してお部屋を広く使うことができるようになります。
羽毛、綿といった放湿性の高い素材で作られていることが多く、1年を通して使うことができます。ベッドのように落ちる心配もなく、小さなお子様にも安心してお使いいただけます。
質の良い敷き布団ほど放湿性が高く、汗や湿気をため込むことなく下に落ちていきます。そうなると、床部分が湿気り、カビの発生原因になってしまうので、毎日布団の上げ下ろしをすると良いでしょう。
マットレス
マットレスは床やベットフレームの上に設置して使用する寝具です。一般的な敷き布団よりも厚みがあり、使用される素材は耐圧分散に優れたものが多いです。
耐圧分散とは、褥瘡発症を防止するために、長時間にわたって同一部位にかかる圧力を減少させること。
Dear Careより引用
耐圧分散は低反発と高反発の特性をバランスよく持ち合わせた素材に効果が見込めます。体格、体重によっても沈み込み方が違うので、向き不向きも変わってきます。
ベッド用のマットレスのほかに三つ折りが可能なタイプのマットレスがあります。敷き布団のように折りたたんでコンパクトにすることができるので、お部屋の広さを確保できて便利です。
マットレストッパー
マットレストッパーはマットレスの上に設置して厚みを増やしたり、硬さを変えたりすることが可能な寝具です。
マットレスと比べて厚みが少なく今まで使っていたマットレスがへたって来たり、寝心地が合わなかった時に別のマットレスのように使うことができます。せっかく新品のマットレスを買ったのに自分には合わなかったというときにも便利です。
また、簡単に着脱可能なので使う人によってより適した寝心地を提供できるのがマットレストッパーの魅力です。
敷きパッド
敷きパッドはマットレストッパーのように敷いて使う寝具です。汚れや傷から守るカバーのような役割や肌触りの良い質感により寝具を使いやすくする役割があります。
種類によって、接触涼感、防ダニ、発熱性のある素材など機能性に優れたものが多いです。薄手で取り外しが簡単なものが多くお洗濯ができるものが多いため、寝具寿命を延ばすという意味でもおすすめです。
除湿シート
湿気が気になる時期には特に使いたいアイテムです。寝具と面する部分には湿気がたまっていきます。寝具と寝具の間や寝具と床の間などに1枚除湿シートを挟むだけでカビやダニの発生を大幅に抑えます。
吸収できる湿気の量は限られているので、使い続けるにつれ湿気の吸収が悪くなっていきます。最低でも2週間に1度は干して使うことで吸湿性を維持して使うことができます。
掛け寝具
掛け寝具は軽さの求められる寝具です。
季節によって厚みや素材は様々ですが、春・夏は夜間の冷え込みやエアコン冷え対策が可能で熱を逃がす放熱性に優れた薄手のもの、秋・冬は体周りの熱の流出を防ぐ保温性、冷気の侵入を防ぐ断熱性などが重要視されます。
掛け寝具にはキルティングと呼ばれる縫製加工が施されているものが多く、これにより使用中や洗濯時に起こる中材のずれを防いだり、フィット性を高める効果が生まれます。キルティングによっては縫い目が多いほど通気性は上がりますが、保温性が下がってしまうので暖かさを求めている場合にはデメリットになってしまうこともあるので注意しましょう。
掛け布団
掛け布団は、主に寒い時期に使用するものなので、暖かさが求められます。
素材は敷き布団に使われるものと似通っていますが、敷き布団は加重に対する強さ、掛け布団は寝づらさを感じさせないための軽さを重視しています。充填量や加工法、羽毛の中でも掛け布団に適した種類などの違いがあります。
中材は羽毛や羊毛といった素材が使われることが多いです。こういった動物性繊維は品質やグレードが高くなるにつれて値段も相応に上がっていくので、お財布と相談して購入を検討しましょう。
動物性繊維はどれだけ洗浄処理を行っても、少なからず独特なニオイがあります。使用時の温度変化によって脂分が溶け出し、匂いが強くなることもあるようです。
ニオイに敏感であったり、アレルギー症状を持っている場合は化学繊維の布団を検討しましょう。
ケット類
主に夏場の肌掛けとして使われる寝具で、寝冷えを防ぐために使用します。
暑い季節になると、普段より汗をかきやすくなり、べたつきも多くなるため、給水性の高い素材が使われるタオルケットやガーゼケットを使うことによってサラッと気持ちの良い肌触りを維持することができます。
中には接触涼感素材で作られたものもあり、ひんやりして気持ちが良いです。通気性の良い素材のものが多いため、暑さ軽減と快適な使い心地の一人二役の夏場に適したケットです。
寒い時期に中掛けなどで使う毛布類はブランケットといいます。
保温性に優れた素材で作られていて、布団1枚では寒さを感じる場面では重宝するアイテムです。肌触りの良いものが多いことからリビングでくつろいでいる時に使う方もいるようです。
伸縮性のある素材を使っていてフィット性の高いものや静電気の発生を抑える加工が施されたものなど、冬には嬉しい機能を持ったブランケットもあります。
かいまき
聞いたことの無い名前かもしれませんが、かいまきは主に東北地方で愛用されていた日本伝統の着る寝具です。
毛布の普及によって需要が減ってしまった寝具ではありますが、着物のように体の周りを覆う形状が熱を逃がしづらく、寝具の間に入ってくる隙間風を気にせずに使える防寒性能の高さが再び注目を浴びている寝具です。
室内であれば着たまま移動できるのもポイントです。袖を通さなくても掛け寝具として使えるため、汎用性も高い防寒寝具です。
寝袋毛布
こちらは寝袋のように体を包んでくれる寝具です。毛布柔らかな肌触りと暖かさに加え、隙間風が入らないポケット仕様をしています。
寝袋毛布だけで使うのではなく、掛け布団との併用がオススメです。寝返りを打った際に入ってくる隙間風を防ぎつつ、全身が触り心地の良い毛布生地に覆われているのでとても快適です。
寝具カバー
寝具を使っていると肌が触れることが多いためどうしても汚れが蓄積しやすく、汚れの蓄積は寝具寿命にかかわります。枕やマットレスは洗うことのできないものも多く、そのまま使っていると早くダメになってしまうかも・・・
そんな時に活躍するのが寝具カバーです。
寝具カバーを付けることによって、本体が汚れるのを防ぎ、カバーを洗濯すれば長く清潔に使い続けることができます。
その日の気分によってカバーのカラーやデザイン、素材を変えて模様替えを楽しんだり、違う肌触りを体感したりと寝具の使用パターンが増えるのも魅力です。
枕カバー
枕カバーの質感はとても需要です。人は一晩に15回~20回寝返りをうつと言われています。その際、枕との間に摩擦が起きて肌荒れや髪へのダメージの原因になることも。
顔周りはほかの部位に比べ、デリケートな部分が多いです。そのためお肌に優しい素材を選ぶことが重要です。摩擦軽減が期待できる滑りの良い生地や乾燥を防ぐ保湿効果のあるものを選ぶことで髪のケアにも役立ちます。
足枕や抱き枕にも専用のカバーが用意されているものもあるので確認してみましょう。
アウターカバー
こちらの表現はあまり聞くことが無いかもしれませんが、枕カバーの上からかぶせるカバーという意味で使用している名称です。
当店で取り扱っているBlueBloodシリーズの枕はカバーを本体とセットで販売していますが、基本的にほかの枕には使うことが出来ず、専用カバーという形で洗い変え用に販売しています。そのため、枕カバーの中でもジャンルをわかりやすくするために、「アウターカバー」という分類に分けているわけです。
アウターカバーを使うことで、枕をより汚れやキズから保護されるため枕本体の寿命を延ばす効果もあります。
着脱が簡単なので、洗濯も楽に行うことができます。使っている枕に対応しているサイズか確認して選ぶようにしましょう。
選ぶのが面倒くさいな・・・という方には、高伸縮で円筒状のものを選ぶとより着脱も簡単で使える枕の種類の幅も広がり、使いまわしもできるのでオススメです。
敷き布団カバー、掛け布団カバー
敷き布団、掛け布団を保護するためのカバーです。敷き布団カバーは敷きパッドとは違い全体を覆い傷や汚れから守ります。
毛布地のものや、ボア素材を用いたカバーを取り付ければより暖かい敷き布団として使うことができます。
シーツ
シーツはベットメイキングの一環として敷き寝具の上に使用するもので、主にフラットシーツとワンタッチシーツの2種類が存在します。
フラットシーツは一枚布タイプの伸びの少ないシーツで4隅を織り込んで使用するため、複数の寝具のサイズに対応することができ、敷き布団にもマットレスにも使える汎用性の高いシーツです。
ワンタッチタイプのものは4隅が伸縮性のある素材で作られており、マットレスにピッタリとフィットするようになっているため、フラットシーツより設置が容易でずれが少ないです。対応する厚さが10㎝以下のものをフィットシーツ、厚みのあるマットレスやベッドマットレス用のものをボックスシーツと呼びます。
敷き布団に使用するのであればフィットシーツですが、長く使っていて厚みがなくなってしまっている場合、その伸縮性がゆえに布団が形を保てずにうまくフィットしないこともあるので、フラットシーツや敷き布団カバーを使用するか、敷き布団の買い替えを検討しましょう。
ワンタッチタイプのものを使いたい場合は、お使いの寝具に対応しているサイズであるかをしっかり確認しましょう。
新しいものが出てきたかと思えば、昔から使われていたものが注目を浴びたり、快適な睡眠環境を作るために良いものは何でも取り入れて寝具はいまでも進化を続けています。
それぞれのニーズに合った寝具を使って、自分に快適な睡眠環境を作ってみてください。
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