熟睡ラボ

就寝時こそご用心!睡眠中に起こりやすい夜間熱中症とは?

コラム

いよいよ夏本番

夏至も過ぎ、寝苦しい日々も増えてきましたね。これから夏本番になると日中は真夏日、猛暑日、夜間は熱帯夜も増えていきそうです。

熱帯夜(ねったいや)は、日本の気象庁の用語で、「夜間(夕方から翌朝まで)の最低気温が25度以上のこと。」 をいう。

wikipedia「熱帯夜」より引用

例年厳しい暑さが続き、熱中症に対する危険性も周知され、日中の学校や施設でも様々な対策が取られるようになってきています。しかし、夜間の熱中症対策は就寝時のため各家庭での対策が重要です。

熱中症は日中の屋外でなりやすいイメージですが、実は就寝時にも熱中症になることは意外と多く、なんと夏の熱中症の4割は夜間に発症しています。睡眠時は熱中症の初期症状に気づきにくく、悪化しやすいのです。

夜は日が沈み、日中ほど気温は高くなりませんが、昼間の直射日光で暖められた壁や天井に蓄積された熱が放射熱となって室温を上げてしまいます。また就寝時は防犯のために窓を閉め切ることが多く、熱がこもりやすいので注意が必要です。

また、日常生活で一日あたりに失う水分量は、一般的に尿で1500㎖、汗で600㎖、呼吸で300㎖と合計2400㎖もの水分が排出されています。睡眠中は知らないうちに汗が蒸発していて、冬でも200㎖、熱帯夜ではなんと500㎖以上になります。そのため、知らず知らずのうちに脱水症状が進んでしまうのです。

こんな生活習慣は要注意

あなたは脱水症状を引き起こす原因を作っていませんか?

  • 入浴後に暑いのでビールや発泡酒をがぶ飲み
  • 夜中トイレに起きるので就寝前の水分補給は控える
  • 暑いので夏場はシャワーのみで済ませる
  • 汗をかくのであまり運動はしない

睡眠前の水分補給にはスポーツドリンクのような塩分や糖分を含むもののほうが水分の吸収はスムーズになりますが、アルコールやカフェインの入った緑茶やコーヒーは利尿作用があるため、脱水症状を引き起こす可能性があるので控えましょう。

熱中症の初期症状は「だるさ」「めまい」「手足のしびれ」などです。熱中症によって脱水症状が進むと血液の流れが滞り、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因になります。加齢とともにトイレが近くなると寝る前に水分を控える人もいますが、睡眠中に脱水症状を引き起こさないよう必ず水分補給をするようにしましょう。

通気性や吸湿性のある寝具やパジャマを使ったり、エアコンや扇風機を使って適度な室内温度を保ち、熱が身体にこもらないようにすることも有効です。

人の体は汗をかくときの気化熱や心拍数の上昇、皮膚血管拡張によって空気中に熱放散することで体温調整しています。熱くなり過ぎる前に汗をかく習慣を付けることで、暑さに慣れさせて熱中症に負けない体を作り、夏を楽しく過ごせるといいですね。

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