よい眠りのための
3つのポイント
よい枕とは、よく眠れる姿勢を作り出してくれる枕のことだと私たちは考えています。よく眠れる姿勢とは、頸椎や肩など、普段から頭の重みを支えている器官の骨や筋肉が、その重みから解放され、リラックスした状態の姿勢です。その姿勢を保つためには、横になったときに頭がちょうどよい高さに保たれ、適度なフィット感で固定される必要があります。なおかつ、心地よい眠りには欠かせない寝返りも阻害しないことが大切です。
よい眠りのための3つのポイント
[ 1 ] ちょうどよい頭の高さ
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頸椎の自然なS字カーブを保てる高さが理想です
理想の寝姿勢とは、人間が立ったときの姿に近い自然な姿勢です。立ち姿勢の時、頸椎はS字カーブを描きながらゆるやかに湾曲しています。この状態のまま、頭部の重さが肩の方向ではなく、頭の真下の(枕の)方向へかかるのが理想的な寝姿勢といえます。というのも、成人の頭の重さは平均で5~7kgもあると言われており、この重さが睡眠中に頸椎や肩にかかっていると、肩こりが改善するどころか悪化してしまう可能性があるからです。
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S字カーブが崩れると、頸椎や肩に負担がかかる
枕が高すぎると頭の重みが寝ている間じゅうずっと頸椎や肩にかかり続けます。逆に低すぎる枕もまた頸椎に負担をかけ、首の筋肉・肩の筋肉にも負担がかかります。体への負担なく頭部の重みを支えるには、ちょうどよい高さをキープし続けることが大切なのです。
[ 2 ] 適度なフィット感
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丸い頭を包み込み、体圧を分散
頭は、普段私たちが感じている以上に重たいものです。そして形は丸みを帯びています。そのため、フィット感のない硬い枕で寝ると頭の重みが小範囲に集中し、頸椎や肩に余分な負担がかかってしまいます。
深い眠りにつくためには、重くて丸い頭を包み込むように支え、その重みが一点に集中しないように分散させなくてはなりません。フィット感のある枕は広い面積で頭をやさしく支え、体圧を分散して頭・肩・首にかかる負担を最小限にとどめてくれます。 -
フィット感がないと、頭がグラグラしてしまい不安定
フィット感が必要なもうひとつの理由として挙げられるのが、安定感の問題です。仮に頭がぐらぐらと動いてしまうと、首・肩には予測不可能な負荷が断続的にかかり、緊張が続いて完全に休まることがありません。その状態が疲労やコリにつながっていくのです。フィット感のある枕では、頭・首・肩を安定させて負担を軽減します。そのため、筋肉や頸椎をしっかりと休めることができます。
[ 3 ] 寝返りをうちやすい
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寝返り体が偏りを直そうとする重要な機能
枕選びでもう一つ重要なのが「寝返り」です。長時間同じ姿勢で眠っていると、血液や体液、筋肉が重力により偏ってきます。体は無意識に寝返りをうつことで、その偏りを直そうしているのです。
長時間の同じ姿勢や悪い姿勢は一定の場所に負荷をかけ続け、その周囲の筋肉を緊張させます。筋肉が緊張して血行が悪くなると疲労物質が代謝されず、コリや痛みの原因となっていきます。 つまり、無意識でも寝返りをうって血行をよくすることは、体にとって必要不可欠な機能なのです。 -
寝返りが打てないと頭首肩のコリが進んでしまう場合も
枕にとって頭を支えるためのフィット感は必要ではありますが、低反発枕や羽毛枕など、頭がすっぽりとはまりすぎて沈み込んでしまうような枕は寝返りをするときに左右に壁ができてしまい、動かしにくいことがあります。 また、幅が狭く寝返りの際に頭が落ちてしまうような枕も寝違えや頸椎負担の原因になってしまうため避けたほうが良いでしょう。
枕を選ぶときは、寝返りのしやすさも考慮して選ぶことが重要なのです。
よい枕には
柔軟性と復元力が必要
よい眠りを導き出すには、ちょうどいい頭の高さ、適度なフィット感、そして自由に寝返りをうてること、この3つのポイントが揃うことが必要です。
では、この3つのポイントを揃えられる枕とは、どんな枕なのでしょうか。実は、これらのポイントをクリアするためには、沈み込む力(柔軟性)と、浮き上がる力(復元力)という、一見矛盾する2つの力が同時に必要です。
枕には柔軟性と復元力が必要
枕の柔軟性は、頭部の重みを支え、フィット感を生み出すのに欠かせない性質です。そして復元力は、頭をちょうどよい高さに保ち、寝返りを打てる状態でキープしておくのに欠かせない性質です。
良い眠りを導く枕とは、この2つの性質がちょうどよいバランスで保たれている枕です。柔らかすぎると、頭が固定されて寝返りがうちにくくなってしまい、復元力が高すぎると、頭と枕の触れる面積が減ってフィット感がなくなってしまいます。 お互いの力が絶妙なバランスで保たれる枕こそが、よい眠りを導き出す最適な枕です。